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[投稿日]2017/02/27
[最終更新日]2017/08/09

休業(補償)給付

休業(補償)給付
<支給要件> ①~③のすべての要件を満たす必要があります。

労働者が、
①業務または通勤が原因となった負傷や疾病による療養のため
➁労働することができず、そのために
③賃金を受けていないとき
労働者が、直接、管轄の労働基準監督署に休業補償給付支給請求書(業務災害の場合)又は休業給付支給請求書(通勤災害の場合)を提出することにより、休業補償給付(業務災害の場合)又は休業給付(通勤災害の場合)がその第4日目から支給されます。4日未満の休業であれば、支給はありません。


事業主が行うこと
休業の初日から第3日目までを待機期間といい、
この待期期間は業務災害の場合、事業主が労基法の規定に基づく休業補償(1日につき平均賃金の60%)を行う必要があります。これは上記の休業(補償)給付とは別のものですのでご注意ください。

休業(補償)給付についての注意事項
まずは事業主から、労災事故の後、遅滞なく(1~2週間以内に)労働基準監督署へ「労働者死傷病報告」を提出する必要があります。

・4日以上の休業→労働者死傷病報告(様式第23号 提出期限:遅滞なく)
(4日未満の休業→労働者死傷病報告(様式第24号 提出期限:四半期毎に翌月末日まで))

休業(補償)給付申請は、その後になります。休業(補償)給付申請書には、医師の証明(署名又は捺印)、事業主の証明(署名又は捺印)が必要です。「書類を病院に提出したから、あとは病院がやってくれる」と考えるのは大きな間違いです。病院から労基署に送付されるのではなく、労働者が直接労基署に提出する必要があります。この提出がなければ、いつになっても給付されることはありません。申請から労働者本人の口座への給付までは1カ月程度かかるようです。なお、労災事故後、休業(補償)給付申請を忘れていたとしても、2年以内であれば、申請は可能です。
時効:賃金を受けない日ごとに請求権が発生し、その翌日から2年

休業(補償)給付金の計算方法(参考)
給付基礎日額(平均賃金)の具体的な計算方法など、詳細は個別に管轄の労基署へご確認ください。状況により、計算方法が異なります。以下はあくまでも参考として掲載しております。

休業1日につき、※給付基礎日額の80%(休業(補償)給付=60%+休業特別支給金=20%)が支給されます。

休業(補償)給付=給付基礎日額の60%×休業日数
休業特別支給金=給付基礎日額の20%×休業日数

※給付基礎日額=労基法の平均賃金
事故発生日以前の3カ月間の総賃金÷事故発生日以前の3カ月間の総日数

 

その他

療養(補償)給付
業務または通勤が原因となった傷病の療養を受けるときの給付です。
労災保険により、休業(補償)給付とは別に、労災指定医療機関などで治療を受けたときの治療費が請求可能です。労働者が直接、労基署へ申請を行います(療養補償給付たる療養の給付請求書)。事業主から請求書に証明(署名又は捺印)を受ける必要があります。


健康保険傷病手当給付
労災保険対象外の場合、以下の4つの条件を満たすことにより、健康保険傷病手当金が給付されます。
傷病手当金の額など詳細については、以下の全国健康保険協会のリンク先をご確認ください。
(労働者が健康保険に加入している必要があります。)

(1)業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
(2)仕事に就くことができないこと
(3)連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
(4)休業した期間について給与の支払いがないこと

全国健康保険協会 傷病手当金

 


 

参考
厚労省 労災保険 休業(補償)給付の請求手続(PDF 4,396KB)

厚労省 労災保険請求のためのガイドブック 第1編(外国人向け 日本語版) (PDF 576KB)
請求可能な保険給付

厚労省 労災保険請求のためのガイドブック 第2編(外国人向け 日本語版)(PDF 3,092KB)
労災保険給付の概要

社団法人安全衛生マネジメント協会 労働災害にまつわる手続きガイド