[投稿日]2017/08/23
臨時監査を行う必要がある場合について
どのようなときに臨時監査を行う必要があるのでしょうか?
「実習実施者が、技能実習法第16条第1項各号(実習認定の取消し事由) のいずれかに該当する疑いがある」と監理団体が認めた場合には、直ちに、臨時の監査を行うことが必要となります。
以下に、臨時監査を行う必要がある場合について、法令を用いて説明します。
技能実習法を「法」、主務省令を「省令」と略しています。
外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(技能実習法)
(認定の取消し等)
「以下に該当する疑いがある」と監理団体が認めた場合に、臨時監査が必要です。
法第16条
主務大臣は、次の各号のいずれかに該当するときは、実習認定を取り消すことができる。
一 実習実施者が認定計画に従って技能実習を行わせていないと認めるとき。
二 認定計画が第9条各号(認定基準)★のいずれかに適合しなくなったと認めるとき。
三 実習実施者が第10条各号(認定の欠格事由)★のいずれかに該当することとなったとき。
(法第10条については、ここをクリック)
四 第13条第1項の規定による(主務大臣への)報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の帳簿書類の提出若しくは提示をし、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
五 機構が行う報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示の求めに虚偽の報告若しくは虚偽の帳簿書類の提出若しくは提示をし、又は同項の規定により機構の職員が行う質問に対して虚偽の答弁をしたとき。
六 前条第1項の規定による命令(主務大臣による改善命令)に違反したとき。
七 出入国又は労働に関する法令に関し、不正又は著しく不当な行為をしたとき。
(認定の基準) ★ 「以下の基準に適合しなくなった」と認めるときに臨時監査
法第9条
主務大臣は、認定の申請があった場合において、その技能実習計画が次の各号のいずれにも適合していれば、その認定をする。
一 修得等をさせる技能等が、実習生の本国において修得等が困難なものであること。
二 技能実習の目標及び内容が、技能実習の区分に応じて主務省令(第10条)で定める基準に適合していること。
三 技能実習の期間が、「第一号団体監理型技能実習」に係るものである場合は1年以内、「第二号団体監理型技能実習」もしくは「第三号団体監理型技能実習」に係るものである場合は2年以内であること。
四 「第二号技能実習」である場合は「第一号技能実習」に係る技能実習計画、「第三号技能実習」である場合は「第二号型技能実習」に係る技能実習計画において定めた技能検定または技能実習評価試験に合格していること。
五 技能実習を修了するまでに、実習生が修得等をした技能等の評価を技能検定もしくは技能実習評価試験または主務省令(第11条)で定める評価により行うこと。
六 技能実習を行わせる体制及び事業所の設備が主務省令(第12条)★で定める基準に適合していること。
七 技能実習を行わせる事業所ごとに、主務省令(第13条)で定めるところにより技能実習の実施に関する責任者(技能実習実施責任者)が選任されていること。
八 団体監理型技能実習に係るものである場合は、申請者が、技能実習計画の作成について指導を受けた監理団体(その技能実習計画が「第三号団体監理型技能実習」に係るものである場合は、一般監理事業に係る許可を受けた監理団体による実習監理を受けること。
九 実習生に対する報酬が日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であること、その他実習生の待遇が主務省令(第14条)で定める基準に適合していること(雇用条件書の記載事項、賃金・保険・休日・残業・控除額等に注意)。
十 第三号技能実習に係るものである場合は、申請者が技能等の修得等をさせる能力につき高い水準を満たすものとして主務省令で定める基準に適合していること。
十一 申請者が技能実習の期間において同時に複数の実習生に技能実習を行わせる場合は、その数が主務省令(第16条第2項、第4項)で定める数を超えないこと(人数枠に注意)。
(認定の欠格事由) ★ 「以下のいずれかに該当することとなったとき」に臨時監査
法第10条
一 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
二 「この法律の規定その他出入国もしくは労働に関する法律の規定であって政令で定めるものまたはこれらの規定に基づく命令の規定」により、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
三 「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定」により、または「刑法の傷害、現場助勢、暴行、凶器準備集合及び結集、脅迫もしくは背任罪」もしくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から起算して、5年を経過しない者
四 「健康保険法、船員保険法、労働者災害補償保険法、厚生年金保険法、労働保険の保険料の徴収等に関する法律または雇用保険法の規定」により、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
五 成年被後見人(判断能力を欠く者)もしくは被保佐人(判断能力が著しく不十分な者)または破産手続開始の決定を受けて、復権を得ない者
六 実習認定を取り消され、当該取消しの日から起算して5年を経過しない者
七 実習認定を取り消された者が法人である場合において、当該取消しの処分を受ける原因となった事項が発生した当時現に当該法人の役員(いかなる名称を有する者であるかを問わず、取締役またはこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。)であった者で、当該取消しの日から起算して5年を経過しないもの
八 認定の申請の日前5年以内に出入国または労働に関する法令に関し不正または著しく不当な行為をした者
九 暴力団員または暴力団員でなくなった日から、5年を経過しない者
十 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であって、その法定代理人が前各号または次号のいずれかに該当するもの
十一 法人であって、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの
十二 暴力団員等がその事業活動を支配する者
外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則の一部を改正する省令(主務省令)
(技能実習を行わせる体制及び事業所の設備)
省令第12条
法第9条第6号の主務省令で定める基準(技能実習計画の認定基準)のうち技能実習を行わせる体制に係るものは、次のとおりとする。
★ この基準に適合していなければ臨時監査
一 技能実習責任者が、自己以外の技能実習指導員、生活指導員その他の技能実習に関与する職員を監督し、技能実習の進捗状況を管理するほか、次に掲げる事項を統括管理することとされていること。
イ 技能実習計画の作成に関すること。
ロ 法第9条第5号に規定する実習生が修得等をした技能等の評価(技能検定若しくは技能実習評価試験又は主務省令で定める評価)に関すること。
ハ 法又はこれに基づく命令の規定による法務大臣及び厚生労働大臣若しくは機構又は監理団体に対する届出、報告、通知その他の手続に関すること。
ニ 法第20条に規定する帳簿書類の作成及び保管並びに法第21条に規定する報告書(実施状況報告書)の作成に関すること。
ホ 実習生の受入れの準備に関すること。
ヘ 監理団体との連絡調整に関すること。
ト 技能実習生の保護に関すること。
チ 技能実習生の労働条件、産業安全及び労働衛生に関すること。
リ 国及び地方公共団体の機関であって技能実習に関する事務を所掌するもの、機構その他関係機関との連絡調整に関すること。
二 技能実習の指導を担当する者として、申請者又はその常勤の役員若しくは職員のうち、技能実習を行わせる事業所に所属する者であって、修得等をさせようとする技能等について5年以上の経験を有し、かつ、次のいずれにも該当しないものの中から技能実習指導員を1名以上選任していること。
イ 法第10条第1号から第7号まで又は第9号(技能実習計画の認定の欠格事由)のいずれかに該当する者
ロ 過去5年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をした者
ハ 未成年者
三 技能実習生の生活の指導を担当する者として、申請者又はその常勤の役員若しくは職員のうち、技能実習を行わせる事業所に所属する者であって、前号イからハまでのいずれにも該当しないものの中から生活指導員を1名以上選任していること。
四 監理団体が、入国後講習を実施する施設を確保していること。(監理団体のこと)
五 実習実施者が、申請者の事業に関する労働者災害補償保険法による労働者災害補償保険に係る保険関係の成立の届出その他これに類する措置を講じていること。
六 監理団体(または実習実施者)が、技能実習の終了後の帰国に要する旅費を負担するとともに、技能実習の終了後の帰国が円滑になされるよう必要な措置を講ずることとしていること。
七 監理団体が技能実習の申込みの取次ぎを受ける場合にあっては、外国の送出機関からの取次ぎであること。(監理団体のこと)
八 実習実施者又はその役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。次号において同じ。)若しくは職員が、過去5年以内に技能実習生の人権を著しく侵害する行為を行っていないこと。
九 実習実施者又はその役員もしくは職員が、過去5年以内に、不正に技能実習計画の認定(変更を含む。)を受ける目的、監理事業を行おうとする者に不正に監理許可(変更、更新を含む。)を受けさせる目的、出入国もしくは労働に関する法令の規定に違反する事実を隠蔽する目的又はその事業活動に関し外国人に不正に在留資格認定証明書(COE)の交付、上陸許可の証印若しくは許可、上陸の許可若しくは資格外活動許可若しくは在留資格変更許可、在留期間更新許可若しくは在留特別許可を受けさせる目的で、偽造若しくは変造された文書若しくは図画又は虚偽の文書若しくは図画を行使し、又は提供する行為を行っていないこと。
十 法第16条第1項各号(認定取消し事由)のいずれかに該当するに至ったときは、直ちに、実習実施者は監理団体に、当該事実を報告することとされていること。
十一 実習実施者又は監理団体において、実習生との間で、技能実習計画と反する内容の取決めをしていないこと。
十二 監理団体が法第36条第1項の規定による改善命令を受けたことがある場合にあっては、当該監理団体が改善に必要な措置をとっていること。(監理団体のこと)
十三 実習生に対する指導体制その他の技能実習を継続して行わせる体制が適切に整備されていること。
2 法9条第6号の主務省令で定める基準(技能実習計画の認定基準)のうち技能実習を行わせる事業所の設備に係るものは、次のとおりとする。
一 技能等の修得等に必要な機械、器具その他の設備を備えていること。