[投稿日]2016/05/01
[最終更新日]2017/07/18
外国人技能実習生の中には、例は少ないものの、結核に「感染」するだけでなく、実際に「発病」する人もいます。発病すると、感染症法に基づく保健センター(保健所)の勧告により、1~2ヶ月程度、専門の病棟に隔離されることになります。結核に関しての窓口は、基本的に保健センターとなります。
結核患者との同居者や、その他保健センターにより濃厚接触者と判断された方に対しては、健康診断等が実施され、必要に応じて抗結核薬等が処方されます。保健センターは、接触した方の年齢や体調、接触頻度などを考慮し、検診の必要性・内容・スケジュール等を検討し、接触した方へ連絡します。
1.結核の感染経路
結核を「発病」して排菌している人の咳やくしゃみに含まれる結核菌を吸いこむことによって「感染」します(飛まつ感染)。また、しぶきの中の水分が蒸発し、空気中に漂う菌を吸い込むことによっても「感染」します(飛まつ核感染=空気感染)。「感染」とは、吸い込んだ結核菌が肺に定着した状態をいいます。結核菌が体内にあっても、特に悪い影響を与えていない状態であり、人への感染性もありません。
2.「感染」と「発病」・結核発病割合と発病までの期間
「感染」した人が実際に「発病」するのは1割程度で、「感染」してから6ヵ月から2年後までの「発病」が多いです。免疫力が低下したり、体力が落ちたときに発病することもありますが、一生発病しない方もいます。
万が一に備えて、以下に結核についての基本的な情報をまとめています。
保健センターは、結核の発病等により入院が必要な患者へ入院勧告を行い、勧告により入院した患者は、公費負担申請を行うことで、勧告入院中の医療費が原則、ほぼ全額が公費で負担されます。治療費の自己負担分の内、95%は公費負担となります。
以下に参考として、公費負担の対象範囲を掲載させていただいております。
初診料、再診料、MRI診断料などは対象外となります。
詳しくは、勧告を行った保健所、最寄りの自治体、実際に入院することとなる医療機関等にお問い合わせください。
北海道 オホーツク総合振興局
(参考)公費負担の対象範囲
結核のため会社を休んだとき、労災ではないため、休業補償は適用されません。
また、保健センターの勧告により入院しているため、使用者の責任(会社の都合)でもないため、休業手当も適用されません。
ただし、健康保険(国民健康保険は適用外)に加入している場合は、業務外の事由による病気の療養のための休業に該当するため、健康保険協会に申請することにより、傷病手当が支給されます。
全国健康保険協会
傷病手当
その他、実習生が技能実習生保険に加入していれば、保険金が支払われることがあります。